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Ⅱ 介護支援ボランティアとは

9 認知症を理解しよう

介護施設等でボランティアをする場合に、留意すべきことは、相手の気持ちを理解することです。現在、要支援・要介護高齢者の約半数が認知症といわれており、認知症を理解することは、より良い活動をする上で重要なことです。そこで、認知症の理解とその対応について簡単にまとめてみました。

(1)認知症とは

認知症は、単なるもの忘れではありません。「久しぶりに会った人のことが思い出せない…」このような経験は誰にでもあります。「もの忘れ」は自然な老化によっておこる「単なる歳のせい」で、誰にでも起こりえます。一方、「認知症」は「病気」であり、単なるもの忘れではありません。

『認知症』とは、脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が送れなくなった状態と定義されています。

認知症の初期症状で最も多いのはもの忘れですが、それ以外の症状ではじまることもあります。

意欲、自発性の低下(やる気がおこらない、これまでやっていた事をしなくなった、ものぐさになった)やうつ症状、言葉の障害、注意力低下なども認知症の初期症状のことがあります。

(2)認知症の人への対応
介護施設では、認知症の方も生活しています。そこで、ボランティア活動をする場合は、認知症の人への対応も学んでおく必要があります。そこで、「認知症の人への対応 ガイドライン」から必要と思われる事項を抜粋しましたので、参考にしてください。

基 本 姿 勢

認知症の人と対応する際には、認知症に伴う認知機能低下があることを正しく理解していることが必要です。そして、偏見をもたず、認知症は自分たちの問題であるという認識をもち、認知症の人やその家族が、認知症という困難を抱えて困っている人であるということに思いをはせること。認知症を抱える人が安心して生活ができるように支援するという姿勢が重要になります。

認知症の人もー般の人とのつきあいと、基本的には変わることはありません。そのうえで、認知症の人には、認知症への正しい理解に基づく対応が必要になるということです。

記憶力や判断能力の衰えから、社会的ルールに反する行為などのトラブルが生じた場合には、家族と連絡をとり、相手の尊厳を守りながら事情を把握して冷静な対応策を探ります。

なお、ふだんから住民同士が挨拶や声かけにつとめることも大切です。日常的にさりげない言葉がけを心がけることは、いざというときの的確な対応に役立つでしょう。


認知症の人への対応の心得"3つの「ない」"
  1. 驚かせない
  2. 急がせない
  3. 自尊心を傷つけない


具体的な対応の7つのポイント

まずは見守る
認知症と思われる人に気づいたら、本人やほかの人に気づかれないように、一定の距離を保ち、さりげなく様子を見守ります。近づきすぎたり、ジロジロ見たりするのは禁物です。
余裕をもって対応する
こちらが困惑や焦りを感じていると、相手にも伝わって動揺させてしまいます。自然な笑顔で応じましょう。
声をかけるときは1人で
複数で取り囲むと恐怖心をあおりやすいので、できるだけ1人で声をかけます。
後ろから声をかけない
一定の距離で相手の視野に入ったところで声をかけます。唐突な声がけは禁物。「何かお困りですか」「お手伝いしましょうか」「どうなさいました?」「こちらでゆっくりどうぞ」など。
相手の目線に合わせてやさしい口調で
小柄な方の場合は、体を低くして目線を同じ高さにして対応します。
おだやかに、はっきりした滑舌で
高齢者は耳が聞こえにくい人が多いので、ゆっくりとはっきりした滑舌を心がけます。早口、大声、甲高い声でまくしたてないこと。その土地の方言でコミュニケーションをとることも大切です。
相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する
認知症の人は急かされるのが苦手です。同時に複数の問いに答えることも苦手です。相手の反応を伺いながら会話をしましょう。たどたどしい言葉でも、相手の言葉をゆっくり聴き、何をしたいのかを相手の言葉を使って推測・確認していきます。

出典:『認知症サポーター養成講座標準教材『認知症を学び地域で支えよう』
全国キャラバン・メイト連絡協議会

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介護支援ボランティアをしたい

Ⅰ.介護支援ボランティア紹介
  1. 介護支援ボランティア紹介
Ⅱ.介護支援ボランティアとは
  1. 介護支援ボランティアの目的とは
  2. なぜ、介護支援ボランティアなのか
  3. ボランティアの語源
  4. ボランティアの基本原則
  5. ボランティアを始めるにあたって
  6. ボランティアをする際の心構え
  7. 活動当日の留意点とは
  8. ボランティアのありようを考えよう
  9. 認知症を理解しよう
Ⅲ.横浜市のシニアボランティアポイント制度紹介
  1. 横浜市の制度概要
  2. ボランティアの対象者
  3. 活動の場所など
  4. 活動の内容
  5. ポイントについて
  6. ボランティア研修
  7. よくある質問と回答